お食い初め


過去を振り返って・・・2007.1.14

 

息子のお食い初めのため、家族で、京都の料亭「繁なり」にお食事に行きました。

 

繁なりのご主人さんとは、一緒に料理のセミナーをさせていただいていて、今回はプライベートでおじゃましました。

お食い初め(おくいぞめ・京都では「食べ初め(たべぞめ)」というそうです)。

お食い初めとは、赤ちゃんが、生まれてはじめて食べ物を口にするという儀式で、一生食べ物に困らないようにという意味がこめられています。

生後百日目に行います。うちはその日が年末だったため、遅くになりましたが、遅いほどよいとの言い伝えもあり百二十日目に行うところもあります(食い延ばしというそうです)。悠仁さまは生後130日目にされていました。

これはもちろん形式の儀式で、口元に食べ物をもっていって食べるまねをするだけなのですが、うちの子はくいしんぼう!

たこ、菜の花、数の子、はまぐりなど、なんでもぺろぺろ、ちゅうちゅう、よだれを流しながら、喜んでなめていました。よほど、繁なりさんのおだしの味がおいしかったんでしょうね。

 

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男児はお膳もお椀も朱色(縁に黒色で家の男紋を置くという説があります)。女児の場合はお膳、お椀とも内部のみ朱色で、お膳の縁とお椀の外側は黒色(紋は金色の女紋を置くそうです)。

なぜ、男児が朱で、女児が黒なのかは、私はまだわからないので、どなたかご存知の方がいらっしゃれば教えてください。昔はより高貴な色が朱で、それを男児にあてたのでしょうか。

 

また、男児と女児のお膳の高さを比べると、男児のほうが低くなっています。
それは、男児はあぐらをかいて座り、女児は正座していただくからとのことでした。

お膳には、石と膾と赤飯をそろえます。

石は青い石を一つ、一説によると、それも北に向いて流れる川から拾って来なければならないとか。地方によっては(京都もそうですが)北向きの流れはないといってもよく、普通は清流の流れる川からとってきます。
繁なりさんでは、近くの氏神様の神社からいい石を見つけてきてくださいました。

石は赤ちゃんの歯を丈夫にするためのまじないです。
やり方は地方によっていろいろあるようなのですが、ごはんと食べる前に、箸先を石にちょんちょんとつけて(たたいて)から、食べ物をとるという方法や、
赤ちゃんの口にあてがったりするところもあるみたいです。

 

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そのほか、お料理には蛸の煮物も
ありました。

 

これは、石と同じで、かたいもの
ということで、蛸の足を入れるそうです。

それと、お赤飯。ご飯粒を食べさせる
真似事もします。

 
繁なりさんでは、そのほかに、季節のものを盛り込んでくださり、お正月の数の子、春の菜の花、はまぐりもありました。
ちょうど、お正月の名残と、春の走りの季節ですものね。
また、鯛の姿焼きもご用意いただきました。

 

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ひととおり、息子の口に含ませた後は、大人は松花堂のお膳をいただきました。

こちらも、お正月のお料理、春のお料理のひとつひとつが、お膳の中にきれいに盛り込まれていて、感激いたしました。

 

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松花堂のお膳 をご紹介します。(献立表をいただいていないので、正式な料理名ではないかもしれませんが)

●松花堂弁当       Img_4985_1
写真左上
・とこぶしの煮物
・蛸の煮物
・白身魚の西京焼き
・えびのつや煮
・子持ち鮎の甘露煮
・たけのこの木の芽和え
・れんこんの煮物
・きんかんの甘露煮
・ゆで空豆
・出し巻き(繁なりさんのご自慢!)
・いかとサーモンの手まりずし

右上
・たい、とろ、甘エビのお造り
(あしらいはあやめうどです)

右下
・かに

左下
・えびいも、棒だら、くわい、金時にんじん、菜の花の炊き合わせ

●てんぷら(うなぎの八幡巻き、たらの芽、えび)   Img_5033

●茶碗蒸し(梅風味)

●炊き込みご飯、香の物、止め椀(味噌汁)

●水菓子(オレンジ、いちご)

とくに、松花堂の左上の品々は、ぎっしり盛り込まれていて華やかでした。
そして、とろはめちゃくちゃ脂がのっていて、口の中でとろ~。
とろけました~~~~~。うひゃひゃひゃ。
棒だらが京都らしくてうれしかったです。
以前から、一度、はんなりさんご自慢の出し巻きを食べてみたいと思いながら、その機会がなかったので、今回食べられてうれしかったです。だしがじゅわ~っとしみでてくるのですが、あんなにだしが入っていても巻けるのですから、すばらしいです。

両親といったのですが、目にも華やかで、本当においしいお食事で、
とても喜んでもらえました。

季節ごとにうかがいたいですね。