「米作りの会」2013 田んぼレポート4
夜に寝苦しい、この暑さ
人間だけでなく、
稲も、こんなわけで、夜の暑さには参ってしまいます。
というお話です。
2013.8.24 私たちのの田んぼの様子です
稲が、「太陽の光」を必要とするのはなぜ?
稲の葉が緑色をしているのは、葉緑素(クロロフィル)があるからです。
葉緑素は、光合成を行ってくれます。
光合成とは・・・・・・
「空気中の二酸化炭素」「田んぼの水」
そして「太陽エネルギー」を利用して、
「ブドウ糖」を作り出す仕組みです。
生産したブドウ糖は、穂に送り込まれます。
穂では、ブドウ糖そのままの形ではなく、
た~くさんのブドウ糖が鎖状につながった「デンプン」という形にして、蓄積します。
つまり、私たちが食べているお米の主成分が「デンプン」というわけです。
ご飯を30回噛むと、甘くなるよ
とよくいうのは、
デンプンがだ液の消化酵素で分解されて、つながりが切れるから。
1つ1つの糖に近くなるほど、甘味を感じるのです。
というわけで、私たちが米を食べたときの
おいしさも、栄養も、このデンプンのおかげなのです。
太陽の光は大事。
でも、日中の暑さを夜まで引きずるのはダメ!
その理由は?
稲が、光合成をするには、太陽は必要!
だから、晴天は、稲にとってはうれしいこと。
でも、昼間に晴れて気温が上がっても、夜には涼しくなって欲しい、
これは、人間も稲も同じことなのです。
寝苦しいほど暑い夜で、稲だって体力を消耗します。
日が沈むと、光合成は、いったん休憩。
稲は、昼間に、葉で光合成することで作ったブドウ糖を、穂に送り込みます。
これを「転流(てんりゅう)」といいます。
人間と一緒で、稲も呼吸しています。
夜の気温が高いと、稲の呼吸が盛んになります
(暑くてゼイゼイということ)。
それで、呼吸を行うために、せっかく作ったブドウ糖を消費してしまうのです。
そうなると、デンプンに変えられる原料のブドウ糖が少なくなる~
というわけで、おいしいお米を作るためには、
夜間は気温が低い方がよいのです。
「寒暖差がある方が良いお米ができる」のです。
太陽の光が欲しいといっても、暑すぎるとダメな理由。
先ほどの話は、
暑すぎる夏は、米の食味を悪くする可能性があるという話です。
デンプンが少ない=いいお米にならないからです。
それだけではありません。
収穫量も減ってしまう場合だってあるのです。
温度が昼間約35℃、夜間約30℃程度を越える日が続くと、
稲に高温障害が発生する可能性があるといわれています。
高温になると、吸水(根から水を吸い上げる)が蒸散(葉の気孔の開閉による)に追いつかずに、しおれて枯れる場合があるからです。
また、稲が蒸散を防ぐために葉の気孔を閉じてしまい、
それによって光合成も停止し、生育が止まって、やがて枯れてしまう場合だってあります。
夏は、夕立が降ると、
さ~っと暑さがなくなり、涼しくなりますよね。
あの感じが欲しいんですよね~。
高温障害が出ないように、
管理してくださっている萩原農園さんも、対策をうってくれています。
私たちの稲、頑張れ!