田んぼレポート2015~vol.1
半夏生(はんげしょう) という暦をご存知ですか?
半夏生は、二十四節季の雑節の分類で、
夏至から数えて、ちょうど11日目にあたる日をこういいます。
1年365日のちょうど半分の日でもあります。
古くから、田植えはこの日までに終えないと、その後田んぼに水が豊富にあったとしても、
収穫量が半分になるといわれています。
農家にとっては大事な節目の日で、この日までに農作業を終え、この日から5日間は休みとする地方もあるそうです。
2015.7.4
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私たちの田植えが、いつも6月最終週の週末です。
奈良ではGWくらいから田植えをしていくので、
毎年、遅いんですねと言われますが、
半夏生までには田植えを終えるようには予定を組んでいただいています。
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萩原苺農園さんは、5月20日頃まで苺を作っています。
5月に入るとそれと並行して、
籾撒き、苗代の準備をされています。
⇒籾撒き、苗代とは?コチラをご参照ください。
そして、50反以上の田植えを終えた後、
私たちの田植えイベントをしてくれます。
どんなに忙しいことか!
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さて、2015年の半夏生は7月2日。
半夏生の日に、豊作を願って、
田んぼの四隅に 半夏生餅 (はげっしょうもち)をお供えするとよい。
といわれています。
人々は神様と一緒にお供物を食して、しばし農閑期の休息をとったということのようです。
このような風習は、大和の国(奈良)、北和歌山、南河内で残っており、
奈良では室町時代からありました。
半夏生餅は、「さなぶりもち」とも呼ばれ、和菓子屋さんで商品化もされています。
ちなみに、、「さなぶり」の「さ」は、田の神さまを指し、
地上に降りてきた神さまが、田植えを見届けて天に帰ることが「さ昇り」と言い、
それが訛って「さなぶり」となったようです。
さて、半夏生餅はどのようなものかといいますと、
小麦ともち米を同量ずつ合わせてつき、きなこをまぶしたものです。
一般に、お餅といえば、もち米のみで作られますが、
小麦の収穫が6月なので、ちょうど旬のものを使ったのでしょう。
農家では、半夏生餅を一度にまとめてついて大きな鉢に入れておき、
しゃもじやお箸で少しずつ取り出してはきなこをまぶして食べられていたそうです。
食感はもち米だけをついたものよりも粘りが少ないのですが、
蒸し暑い季節には、胸やけしにくいこのお餅が好まれていたのかもしれません。
材料
もち米(3合)
つぶし小麦(200g)
砂糖(50g)
きなこ適量
作り方
①もち米は水で洗って、一晩水に浸す。
蒸す前に、30分ほど、ざるにあげてきっちり水切りする。
(ここで、水切りしてすぐに蒸すと、べちゃべちゃになったことがあります。)
②つぶし小麦は水で洗う。
③蒸し器にもち米を入れ、つぶし小麦をのせて、30~50分ほど蒸す。
途中で2回ほど、打ち水をして(少し水をかける)、やわらかく蒸しあげる。
④もちつき機でつく。
我が家はもちつき機がないので(欲しい~!)、
ボウルに入れて、すりこぎでついています。
なかなか大変な作業で、餅の粘りが出しにくいですが、
餅っぽくはなりますよ。
⑤丸めて、きなこをまぶす。
今年は半夏生の翌々日になってしまいましたが、
田んぼの神様にお供えにいきましたよ~。
稲よ、元気に育っておくれ!
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「料理で 子供たちの生きる力 をはぐくむ」
食育(子供料理教室・講演)・調理科学・フードコーディネート
Manyoria int’l (マニョリア)
木村 万紀子
HP www.manyoria.com